HI-VISIONS
Helical Scanner
2023.9.8 Sat — 10.9 Mon 13:00—19:00 @OVERGROUND
会期:2023.09.08(Sat)-10.09(Mon)
(火、水曜休廊)
時間:13:00-19:00
場所:OVERGROUND Gallery1
入場料:無料
Dates: 2023.09.08(Sat)-09.10(Mon)
(Closed on Tuesdays and Wednesdays)
Opening hours: 13:00-19:00
Place: OVERGROUND Gallery1
Admission: free
HI-VISIONS (ハイビジョンズ)
2021年、現代美術家の、岡野智史、小川泰 、木村俊幸 により東京で結成されたアーティスト・ユニット。
HI-VISIONSは、3人のペインター、岡野智史、小川泰 、木村俊幸が、それぞれ絵画や彫刻、映像などの作品を制作しながら、3人だからこそ共振し増幅するイメージを探求するため結成されたアーティスト・ユニットです。
タイトルである「Helical Scanner」(ヘリカルスキャナー)は、ビデオテープの記録方式の一つであるヘリカル・スキャンから引用されています。
斜めに巻きつけられたテープに記録されるという記録方式を称したVHS (Vertical Helical Scan ※後にVideo Home Systemの略称と再定義される) は、これまでよりも格段に多くの情報を記録することができるようになり、1976年に日本で発表され、瞬く間に世界中の家庭に広まっていきます。
情報の共有と拡散を推し進め、時間の概念をも変えるその魅力的なツールと共に歩んできたHI-VISIONSの3人。彼らの見た多くの情景はビデオテープに記録されたイメージでもあり、彼らの作品に大きな影響を与えました。
エアブラシを使用して独自に開発した技法で描く岡野のアクリル画は、吹きつけられた絵の具が画布の上でピクセル状に分割され、ピントの合わない図像は低解像度の映像のようでもあり、キャンバス自体がTVモニターのように発光してみえます。
小川は、宇宙のように無数の情報が浮遊するモニターの中の三次元の空間を、絵画という手法で二次元世界に変換します。鮮やかな色彩の波に紛れ登場する独特のタッチで描かれた不良や格闘家やバイク。モニターという箱の中の仮想空間は、作家のパラレルワールドとして画面に現れます。
幼少期から多くの映画とともに過ごした木村は、現代美術家としての活動の他、マットアーティストとして映画美術に携わっています。木村の些細で私的な出来事が、シナプスのように繋がり拡張して現実と妄想が同等に存在するイメージを、絵画や映像作品の中で描いています。
本展では、1989年に発表した作品から2023年作の作品まで、3人の平面作品を中心に展示いたします。また本展に合わせて制作したHI-VISIONS共作の絵画も発表いたします。
ざらざらとしたノイズの中から、自分だけに煌めくシグナルを受け取り、理想のイメージを顕にしようとする絵画への探求と、HI-VISONSが目指す高解像度ではないけれど高画質な作品郡をお楽しみいただければ幸いです。
【作家プロフィール】
岡野 智史 Satoshi Okano
対象についての考察と技法の実験を制作のテーマに、油彩画、鉛筆画のほか、エアブラシを用いて描いた作品を制作している。
岡野は絵画の中で”光”を表現する際、キャンバスをモニターととらえることで、映像のような絵画を目指して制作している。
アクリル画の作品のモチーフは昔のテレビアニメの一場面や古雑誌から抽出されており、作家の個人的な思いや意図と一定の距離を保つことで、対象物をどのように描くかという試験的な探求に注力している。
主な展覧会に、「CONY」CLEAR GALLERY TOKYO(東京、2022)、「cast」mograg gallery(東京、2018)、「フェットプロジェクト2016」府中市美術館市民ギャラリー(東京、2016、「Slash Square」gallery5 / Tokyo Opera City(東京、2014)、「世界と孤独 vol.4 岡野智史×佐藤玲子展」高島屋 美術画廊X(東京、2012)、「O JUN、岡野智史、国宗浩之、新関創之介:大人しくしなさい。果実食器国宗浩之たち」LOOPHOLE(東京、2008)など。
小川 泰 Tai Ogawa
小川泰は2次元である平面に3次元空間を創出することを絵画と定義し、平面の可能性を拡張すべく、仮想空間であるモニタのなかをアナログで再現することを試みている。これまで東京や韓国、ニューヨーク、ドイツなど、国内外問わず展覧会を実施している。
主な展覧会に、「Mr. Invisible | 透明人間」CLEAR GALLERY TOKYO (東京、2020)、「Event Horizon」 Loop Hole (東京、2020)、「elements」WISH LESS (東京、2016)、「Urban_Legend」galeria de muerte (東京、2014 )、「Ege of Life」KaiMatsumiya (NY) 、「The End of the World and Mother-Fucker」ZENSHI (東京、2008) など。
その他に、galeria virgilio (サンパウロ)、ferenbalm-gurbru station (ドイツ)、Fredric Snitzer Gallery (マイアミ)、Heyri Asia ProjectII (韓国)など国内外で発表。 JAPIGOZZI コレクション収蔵。WATOWA ART AWARD 2022 SECOND PRIZE。
木村 俊幸 Toshiyuki Kimura
現代美術家/VFX監督/マットアーティスト。LOOP HOLE主催。
学生時代、映像制作会社のアルバイトで映画会の合成作画の巨匠、石井義雄氏に出会い、師事。黒澤明、大林宣彦監督の作品の他、平成ゴジラシリーズ(94~95)、写楽(95)ハリウッド作品「スポーン」(97)「リング」(98)宇多田ヒカルのMV、サウンドノベルゲーム「弟切草-蘇生篇-」等、フリーランスのマットペインターとして、数々の特撮/VFXを手掛ける。 第1回岡本太郎現代芸術賞展(97)、新宿少年アート展(98)の後、VFX studio LOOPHOLE設立。ギャラリーを併設し、様々な展覧会を企画、若手作家の支援をしている。2013年には、20名の現代美術家が集い「最近の抽象」をテーマにした展覧会「ダイチュウショー」を府中市美術館企画室と共同企画し、自身も出品作家として参加。 画集MATIM -SAY YES- (東京都現代美術館/府中市美術館/金沢21世紀美術館:所蔵)や、OJUNとの共著 viny bon(東京都現代美術館/所蔵)、背景ビジュアル資料集1~14(監修/イラスト) スチームパンク東方研究所等(巻頭イラスト) 等、書籍多数。 ※マットペインター: マットペインティング(動画における合成時の描画技法)の技術者。研究所等(巻頭イラスト) 等、書籍多数。 ※マットペインター: マットペインティング(動画における合成時の描画技法)の技術者。