海を渡るプオク:シック
바다를 건너는 부엌 : 식구
Kitchen across the Ocean: SIKGU
*Korean and English text is at the bottom of this page
会期: 2023.09.08 Fri – 10.09 Mon
日時: 13:00-19:00 (Close: Tue and Wed)
入場: Admission fee / Free
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⚫︎Talk with Exhibition Tour キュレーター・トーク
・9.8 Fri 19:30
⚫︎Audience Participatory Performance 参加型アートパフォーマンス
- Yujin Lee 《人生は(チョコレートの箱または)お弁当みたいだ / Life is like a (Box of Chocolates or) Bento》(2023) *各回人数制限あり
・9.23 Sat 13:00
・9.24 Sun 13:00
・9.25 Mon 18:00
- Dohee Kim 《サンヨノリの祈願(喪輿遊びの祈願) / 상여놀이 축원 Sangyeonori Prayer》 (2023) *各回人数制限なし
・9.24 Sun 18:00
若手キュレーターによるOVERGROUNDでの展覧会プロジェクト「Curator’s Exhibition」。本展は福岡と韓国の釜山・ 済州をつなぐ企画として、韓国、日本、中国出身の3人(Hyesu Cho、Naoko Tanaka、Qiuyu Jin)から構成されたチーム「EAG」 がキュレーションを行います。釜山出身のチョ・ヘス(Hyesu Cho)がメインキュレーターを務め、故郷の文化的背景をもとに、韓国の食文化のベースである特有のサイクルや交流に焦点を当てます。
博多港から釜山港までは旅客船で3時間程度で、九州地方と朝鮮半島の交流の歴史は今から1500年前から続いて来ました。「食」においても、類似性を持つ食べ物も存在し、これらは戦争や移住などの歴史を経て、今の生活の中に溶け込んでいます。「食」は私たち人間の身体に溶け込んでいる物語と言えるでしょう。人間の根源的な欲求や個人のアイデンティティと密接な関係を結び、さらに生活、文化、社会、経済に不可欠な要素です。
タイトルにある「プオク(부엌)」は、「火(プr/불)」の発音が変化し、現在においては「台所」を意味します。「シック(食口/식구)」は、家族、または血縁関係でなくても一つ屋根の下で過ごし一緒に食事をする間柄を指し、出身や立場に関係なく、食事を共にすることで、家族になれるという意味が込められています。
*来場者との「食」を通した小さな交流として、イ・ユジンが済州のお茶を用意しました。環境への配慮として、マイボトルやコップをお持ちいただいた方限定で提供させていただきます。(無くなり次第終了)
*会場では文化的理解を深めるためのリサーチコーナーが設置され、リクリット・ティラヴァニ(Rirkrit Tiravanija)がイ・ユジンの住居兼スタジオで行ったキムジャン(キムチ作り/김장)パフォーマンスに対するインタビュー映像などもご覧いただけます。
Dohee Kim キム・ドヒ (b.1979)
― 生きるということは、お互いのエネルギーを取り合うこと
人間の有機体的な特性と原始的な物質感覚の関係をベースに、存在の意味を探求し、生命感覚を拡張する制作をしている。ほとんどの制作は、対象に対する直接的な経験から出発し、触覚的、嗅覚的刺激や振動、労働などを通して、身体とのかかわりを重視しながら、鮮やかな鑑賞体験へと広げていく。物質の状態が変化し、生き生きとする「生命の場」を経験として伝えるために、陰と陽、生と死、自己と他者など、相対的概念が持つ暫定的な特徴をダイナミックに表現する。その手法は、インスタレーション、写真、ビデオ、パフォーマンスなど様々で、極めて個人的で内密な制作から社会的なコラボレーションまで多岐に渡る。経験主義美術ジャーナル『ttheol』を発行し、編集長としても活動している。
本展では、韓国の「サンヨ(喪輿/상여)」(棺を運ぶ伝統的な御輿)と福岡の「屋台」から着想を得た日韓の生死の文化が出会うインスタレーションを発表。食べることと同様に、死は誰にでも訪れ、エネルギーの循環を生み出すものである。本作は、作家の故郷であり、近代日本との関係性を持つ釜山影島(ヨンド)の物語を通して、「生死」と「食」を効果的に結びつける。
Yujin Lee イ・ユジン (b.1986)
―アートではなく、友達を作ろう (Make Friends, Not Art)
地域のアイデンティティやコミュニティの形成について考察しながら「関係性の美学(Relational Aesthetics)」を実践するビジュアルアーティスト、コラボレーター。米国コーネル大学美術学部でBFA、コロンビア大学芸術大学院でビジュアルアートのMFAを取得。2018年にニューヨークから韓国の済州島に移り住み、古い農家を購入し、住居兼スタジオ「Next Door to the Museum」としてオープンさせた。畑、鶏や犬もいる質素な田舎の家を舞台に、国内外のアーティスト達が、生活とアートの表裏一体関係やエコロジー思想の文脈における創作活動ができるユニークなアーティスト・レジデンスを運営している。
本展では、作家が人々と対話をしながら一緒に絵を描く《ペインティング・カンバセーション(Painting Conversation)》シリーズを中心に構成される。今回は「ご飯泥棒(ご飯が進むおかず)」をテーマに、済州の移住者の友人たち、そして福岡で新たに出会った人々と《ペインティング・カンバセーション:ご飯泥棒物語》を行った。本作はテーブルマットとなり、10メートルに及ぶテーブルクロス作品とともに展示される。また、済州と福岡のペインティング・カンバセーションの参加者の声を使ったサウンドインスタレーションや、参加者が共有してくれた「プオク/台所」に関するモノやレシピも公開。
【Main Curator】
Hyesu Cho チョ・ヘス (b.1993)
chohyesu.com
韓国釜山出身。東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科修士課程在籍。2020年釜山ビエンナーレコーディネーター、2022年江陵国際芸術祭アシスタントキュレーター、 〈ヴァーチャル・ボディ:メディアにおける存在と不在〉 (東京藝術大学 陳列館) キュレーターなど。社会的な文脈で美術の境界を探求し、実践的コミュニケーションとしてのキュレーションについて考える。日韓を拠点に活動。
キュレーション : EAG (Hyesu Cho, Naoko Tanaka, Qiuyu Jin)
共催 : 韓国国際文化交流振興院(KOFICE)、OVERGROUND
主管 : Hyesu Cho
後援 : 韓国文化体育観光部、韓国国民体育振興公団
*本プロジェクトは「NEXT : Next Expert Training」の一環として推進されました。
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